ヒグマについて
定山渓自然の村周辺はヒグマの生息地になっています
山に入る前に、十分にヒグマのことを学習し
注意しながらアウトドアライフをお楽しみください
定山渓自然の村のヒグマ対策
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電気柵の設置
※白いリボンに電気が流れています。周辺に電気の流れるリボンを設置し、進入を防止しています。
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鉄製ごみ保管箱の設置
各宿泊施設に鉄製のごみ保管箱を設置しています。このごみ保管箱はふたを閉めることにより、外へ出る臭いをおさえて居ます。(臭いによる誘引防止・餌付き防止)
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スタッフによるパトロール
スタッフが、電気柵の確認および周辺フィールドをパトロールして新たな痕跡などがあれば、お客様に情報を提示いたします。
みなさんへのお願い
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食料とごみの保管
臭いによる誘引や、ヒグマの餌付き防止のため、食事の材料やごみの管理を十分にしてください。食材は室内で保管し、ごみは鉄製のごみ保管箱に入れてお休みください。また、食べ物の臭いが残る物(鍋、食器類、網等)の管理・片付けもお願いいたします。
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夜から朝方の単独行動は避ける
暗くなってからは、私たちもヒグマもお互い相手が見えづらい状況になります。
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周辺の電気柵に近づかない
周囲の電気柵に電気を流しております。手前には進入防止のロープを張っていますが、大変危険ですので近づかないでください。
※電気柵に触ると強い電気ショック(痛み)を受けます。特にペースメーカーや除細動器を装着している方は、同機器に影響を与える可能性があります。
ヒグマについて
- 名前
- エゾヒグマ
- 体重
- オス:150〜400kg メス:100〜130kg
- 体長
- オス:約2メートル メス:約1.5メートル
- 特徴と習性
- 日本では北海道にのみ生息しており、国内で最も大きな陸上動物です。肉食動物と思われがちですが、主な食料は草や木などの植物で、動物質の食物もありますが、ほとんどはアリやハチなどの昆虫類です。人を避けて藪などに隠れて行動することが多いのですが、逃げるものを追いかける習性があり、時速50km程度で走ることが可能です。視力よりも嗅覚がすぐれていると言われています。
ヒグマの行動時期と食べ物
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春の食べ物
冬ごもり中絶食していたので
やわらかい草本類を好み、
フキ、ザゼンソウ、セリ科の
草本類をよく食べます。 -
夏の食べ物
初夏はヒグマの繁殖期で、
オスがメスを求めて活動します。
セリ科などの植物に加えて、
アリも食べます。 -
秋の食べ物
冬眠期は絶食で穴の中で暮らすので、
冬ごもり中はたくさんの食物を食べます。クルミやドングリを中心に、
場所によってはサケなども食べます。
ヒグマの1日は「食べる、移動・徘徊する、休息する」の繰り返しです。これに季節により交尾や子育て、冬ごもりの準備といった行動が加わります。餌場はヒグマがいる可能性が高いため、その中に人間が入っていくことは非常に危険です。
ヒグマが好んで食べるのはミズバショウ、フキ、セリの草類。コクワ、ブドウ、ドングリなどの木の実。動物類ではカエルやアリ、シカやサケなど。山に入ればどこに行ってもヒグマが食べるものがあると思ってください。また、トウモロコシや家畜を狙って人里に近づくこともあります。
クマとの事故を避けるために
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現地の情報に注意しよう
ヒグマ出没などの注意看板に従ってください。新しい足跡や糞などがあったら周りを警戒し、行動計画の変更をしましょう。無理な行動は危険です。
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熊の餌場に注意しよう
餌場はヒグマがいる可能性が高いため、その中に人間が入っていくことは非常に危険です。熊の食べものの近くは特に注意が必要です。
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視界不良時は森に入らない
人間もヒグマもお互いに辺りの様子が分かりづらい朝夕や夜など視界の悪い時の行動は危険です。野山・登山道・遊歩道などに立ち入るのをやめましょう。
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人間の存在をアピールしよう
人間の存在に気付いた場合、だいたいはヒグマの方が避けてくれますが、お互い気付かないまま至近距離で出会うと大変危険です。鈴や笛などで物音をたてながら歩くことは、人間の存在を知らせるためにとても有効です。
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犬を連れて来ない
せっかく人間の存在に気づいたヒグマが人間を避けようとしている場合でも、ヒグマの気配に気づいた犬が吠えかかると、ヒグマを興奮させてより危険を招くことになります。特にペットとして飼われている犬はヒグマに対しての訓練がされていないので注意してください。
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危険なヒグマを生み出さない
人間の食べ物の味を知った熊は、人里に近づいて来るようになります。人間が出したゴミも同じです。ジュース一滴、お菓子の一欠片ですら、人間界の味を覚えさせることにつながります。ゴミを捨てたり埋めたりするのも絶対にやめましょう。もちろん、餌を与えるなどはもってのほか。後から野山を訪れる人をも危険な状況におとしいれることになります。
目撃したら・出会ってしまったら
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まずは冷静に!
ヒグマを興奮させないことが重要です。
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近づかない!
遠くにいて、こちらに気づいていなければ静かに立ち去りましょう。記念写真を撮ろうとしたり、かわいいからといって仔グマに近づくのは危険行為です。仔グマがいた場合、必ず近くに母グマもいて、我が子を守るために興奮・攻撃してくる可能性があります。また、エサは絶対に与えないでください。
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走らない!騒がない!
動物は逃げるものに対し、追跡・攻撃する本能があると言われています。人間よりも速く走るヒグマから逃げ切るのは不可能だと言えます。また、立ち上がって鼻をヒクヒクさせるのは、相手が何者なのかを確認しようとしている行動です。ヒグマに対して人間がいることを知らせながら、ゆっくり後ずさりして立ち去ってください。
万が一攻撃してきたら
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威嚇段階
突進と後退を繰り返し、地面を激しくたたく行動をすることがあります。たいていの場合は威嚇行動(ブラフチャージ)で、この時に慌てて大騒ぎすると本当の攻撃に転じることがあります。ここでも冷静を保つよう努めてください。
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近づいてきたら
クマ撃退用スプレー(登山用品店などで入手できます)を持っている場合は発射できる準備をしましょう。有効射程距離は4~5m程。熊が射程距離内に入ってきて、さらに接近してくる場合のみ最終手段として使用します。
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攻撃されたら
地面にうつぶせになり、両手を首の後ろに組みながら頭部やのど、腹部を守る。ザックがあれば背中を守るプロテクターとなります。しかし、正解はありません。防御するのも1つの方法ですが、ナタなどで応戦するのも1つの方法です。
ヒグマの目撃、遭遇情報は後の入山者やキャンパーの重要な情報源となりますので、最寄りの警察署や役所、森林管理署やキャンプ場管理事務所等にその時の状況を連絡してください。
参考文献
「ヒグマとの遭遇回避と遭遇時の対応に関するマニュアル」(公財)知床財団 事務局長・統括研究員 山中正実氏 文
このマニュアルは下記URLで一部を閲覧することができます。
https://www.shiretoko.or.jp/library/bear/
知床財団ホームページ(ヒグマ遭遇時の対処法)
ヒグマ出没情報
札幌市内のヒグマ出没情報は、下記をごらんください。
http://www.city.sapporo.jp/kurashi/animal/choju/kuma/syutsubotsu/index.html
札幌市公式ホームページ(札幌市ヒグマ出没情報)